創業148年 大阪堺の刃物メーカー・アルス〈公式〉園芸刃物ショップ

Qハサミの噛み合わせが悪くなったように感じます。「調子出し(調整)」は自分でできますか?
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「ハサミの噛み合わせが悪くなった気がする…」「ハサミの切れ味が落ちた?」と感じるときは、ハサミの「調子」が悪くなっているかもしれません。「調子出し」をすることで、改善される場合があります。


**目次**

・ハサミの「調子出し」とは?

・なぜハサミの「調子」は変わってしまうの?

・ハサミの「調子」が変わると何が起きる?

・ハサミの「調子」が変化するのを防ぐには?

・ハサミの「調子出し」の方法

・ハサミの「調子出し」は自分でできる?

・アルスにハサミの「調子出し」を依頼する手順


ハサミの「調子出し」とは?

まず、ハサミの「調子」とは、刃が重なる部分を締め付ける度合のことです。これを調整することを、ハサミの「調子出し」と言います。

剪定ばさみや刈込ばさみを開閉した時に感じる重い・軽いは「調子出し」によって決まります。

▼調子出しとは、〇の箇所の調整のことです。

なぜ「調子」は変わってしまうの?

ハサミの「調子」は、ハサミを使っているうちに刃の支軸部分(上刃と下刃が重なっている箇所)が緩んだり締まったりすることで変化します。また、ハサミを使ううちに刃が何度も切断対象物や刃同士で接触することによって、刃や、刃とネジの接触面が摩耗することも、調子が変わってしまう原因になります。

ハサミの「調子」が変わると何が起きる?

「調子」が変わってしまうと、刃の間にモノが挟まる「噛みこみ」が起きたり、本来すり合わさるはずの刃同士が衝突する「乗り上げ」が起こります。すると、物が切りにくくなったり、刃欠けが起こる原因になります。

ハサミの「調子」の変化を防ぐには?

ハサミをある程度使用すると「調子」はどうしても変化してしまいます。特に硬いものを切る頻度が高い場合、調子が変わってしまうことは避けられません。

「調子出し」の方法は?

調子出しは、刃の合わせ部分で調整します。まずハサミを分解し、上刃と下刃を合わせます。ネジを軽く締め、ネジ頭側をバイスなどで固定します。

ハサミの持ち手を開閉させて締まり具合を確認しながら、ちょうどよい締まり具合(※)になったところでナットをしっかりと締めます。

アルスケの顔

※ハサミの調子出しは、強すぎると刃の開閉に負荷がかかり過ぎ、弱いと切断時の噛み込みの原因ともなります。個人感覚や好みもありますので、一概にここがベストということはできません。ご自身で調整する場合は、使用頻度や好みで自分の手に合った「調子出し」をしてください。

「調子出し」は自分でできる?

「調子出し」は、刃物の種類によって難しさが異なります。

「調子出し」がしやすい刈込ばさみ・ロッパーなどの刃物はご自身で「調子出し」を行うことができます。

一方、合わせがカシメになっているクラフトチョキやぶどう鋏、ネジ頭の固定にバイスが必要な剪定ばさみや高枝切りばさみは「調子出し」が難しい刃物です(※)。

※剪定ばさみ・高枝切りばさみは「調子出し」が済んだ状態の専用替刃をご用意していますので、刃の交換によって調子を整えることができます。

「調子出し」がしやすい刃物

①「調子出し」を前提にしたネジが使用されている刈込ばさみ、ロッパーなどの刃物

※刈込ばさみとロッパーは中央ネジの一部が回転しないよう平たく加工されており、調子出しの際、ネジ側が自然と固定されます。そのため固定のためのバイスが不要で、簡単に調子出しが出来ます。

②「調子出し」が簡単にできるネジが使われている刃物

「調子出し」が難しい刃物

刃の合わせが「カシメ」になっている刃物全般(クラフトチョキシリーズ・ぶどう鋏など)

剪定ばさみ、高枝切りばさみ全般(バイスが必要/替刃推奨)

ハサミの「調子出し」のご依頼について

研ぎ直しとセットで承っております。ご希望の際はアルス刃物の修理・メンテナンス部門『刃物の病院グリーンパパ』へご依頼ください。

尚、替刃推奨の商品については調子出し不要のため原則承っておりませんが、「取付方法が分からない」「替刃をしたら調子が変わってしまった気がする」といった場合には、下記までお問い合わせくださいませ。

▶アルス公式サイト>刃物の修理・メンテナンス

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